愛知県北名古屋市にあります、お野菜の生産、販売までされていらっしゃる、
比嘉農園の農園主様である、比嘉正道さん、奥様の比嘉彩良さんへ、
インタビューをさせて頂きました。
現代での生活は、何不自由なく、便利に感じられることが多いと思いますが、
いかがでしょうか。
そんな中で、ママにとっての食事作りは、家族の健康と命を守るための、
一番大切で、大変な作業だと思います。
比嘉さんのお話で、大変な食事作りも、少しでもほっこりと、
笑顔につながったら、とても嬉しく思います。
ホームページで「地元のお野菜を食卓へ、自然をより身近な存在へ。」
というワードがありました。どのような想いが込められているのでしょうか。
身土不二という言葉をご存じですか?
人間の身体と人間の暮らす土地は一体で、切っても切れない関係にあるという意味があります。
その中で、「四里四方のものを食べると、身体にも、環境にも、みんなに優しい」
と聞いたことがあります。
一里が、約4㎞で、昔は交通手段がないので、
一日で歩いて行って、帰ってこられる範囲で、食をまかなっていたそうです。
四里先にも農業者が点在して、水面の波紋のように、
地域で収穫されたものを頂くことが、日本では可能ではないか。と考えています。
そういった、農業者様方の、一員として在りたいです。
ネットで販売しやすい環境にはなってきましたが、
住んでいる地域で育った新鮮な野菜を食べてもらった方が、
フードマイレージも低く、環境にも良くて、人と人同士が繋がることができるので、
いいのではないかと思っています。
お米や果樹など、様々な農業があるかと思いますが、なぜ、お野菜を育てていらっしゃるのですか?
一番始めやすいからです。
早いものであれば、一か月で収穫できる野菜もあります。
それに、毎日食べるもので、四季を感じられるので、
魅力を感じました。
ゆくゆくは、お米も育てたいと思っています。
無農薬で栽培されているのですか?
無農薬で栽培する理由は、主にふたつあります。
ひとつめに、微生物を多用に保つために農薬を使用せずに育てています。
微生物は有機物を分解して、お野菜の栄養を作り、
それをお野菜が、根から吸収して美味しく育ちます。
美味しく元気なお野菜と、微生物は、切り離せない存在だと思っています。
ふたつめに、人が気軽に畑に入ることができるようにするためです。
農薬にもよりますが、農薬を散布すると、一定期間、畑に入ることが出来ません。
農薬を散布しないことで、いつでも人が畑に入ることが出来て、
イベントなどをおこないやすいのです。
無農薬栽培で自然と向き合うことで、感じられていることはありますか?
過酷だなと思います。
しかし、自分の思う通りになって欲しいとは、あまり思いません。
雨が降って欲しいと思ったとしても、地球規模で見ると、ほんのわずかな誤差であって、
自分の甘えだと思っています。
頭を使って、色々なお野菜を育てて、お客様へ出荷出来るようにします。
まるで、自然との知恵比べです。
このお仕事を始めて、生活の中で変化したことはありますか?
食卓が豊かになって、身体が健康になりました。
お客様との繋がりや、コミュニケーションから、元気をもらっています。
こどもに対してのイライラも減りました。
こどもは、大人と違って、無知で、真っ白で、土に近い存在のように感じています。
天気がどうにもならないように、こどもも四季の移ろいのようで、
不機嫌な様子も、雷雨のように、とらえられるようになりました。
自産自消とは、どのようなものとお考えですか?
地産地消を推奨しながら、栽培の楽しさを伝えて、
プランターや、レジャー農園などで、
お客様が自分で育てて、自分で消費できるようになることを目指しています。
その中で、アドバイスが出来たら、おもしろいかなと思っています。
比嘉農園で四里四方をカバーしながら、それぞれ一人一人が、栽培を楽しむ事が出来れば、
畑仕事で体を動かし、良い睡眠を取ることで、健康でいられるのではないでしょうか。
収穫した作物を、人に配ってみたりすることで、
自産自消でなく、地産地消まで発展出来る可能性もあると思います。
「身体は食べたもので出来ている」と言われますし、
一人でも多く、新鮮なお野菜を食べる人が増えて、健康でいられたら嬉しいです。
比嘉さんにとっての[利益]とは何ですか?
[人の笑顔]です。
お金の歴史は、人よりも浅いので、お金よりも大事なものが得られるといいな、
と思っています。
利益というよりも、いいものをすすめて、笑顔になってもらいたいです。
「教えてもらい、自分のものにし、人へ伝えていく」というワードが、ブログにありました。
心がけている事や、コツなどあれば、教えて下さい。
宮本武蔵さんの、「我以外皆師也(われいがいみなしなり)」という言葉があります。
ジャンルが変われば、みんな師匠で、生徒にもなります。
それは、年齢に関係なく起こりうる事だと思います。
謙虚に教えを乞うことや、自分の持っている知識は躊躇することなく提供することで、
良い世の中になるのではないかと思います。
「環境の変化の中でも、しっかり生き抜けるように育てる」とも、ブログにありました。
子育てにも通ずるように受け取りましたが、いかがですか?
ダメならダメで、受け入れます。あまり過保護にし過ぎません。
野菜でも、じゃぶじゃぶと水を与えられ続けたものよりも、
心は配りながらも、少しほおっておいたくらいの野菜のほうが、
しっかりと自分で根を張って、水を探すことが出来て、強く育っていく様子が、
こどもと似ているように思います。
これから畑や、野菜作りをしてみたいという方へ、アドバイスをお願いします。
虫が苦手という方が多いように思いますが、コンクリートの中で見る虫と、
畑で見る虫は、違うと思ってもらえるといいと思います。
本来いるはずのない所に虫がいると驚きますが、畑では、それぞれ役割があります。
例えば、ミミズは畑を耕してくれますし、そのミミズを鳥が食べます。
居てくれないと、野菜が育たないんだと、実感していくことで、
徐々に共存できるようになると思います。
ジブリの作品の、[ラピュタ]に、「人は土から離れられない」という言葉が出てきます。
土と触れ合うことで、自然との繋がりを感じられて、
おかげさまで生きている事を感じられると、
より豊かな心ですごせるのではないかと思います。
貴重なお話を、ありがとうございました。
開催されている畑友には、あたたかな空気に引き寄せられて、
北名古屋市からのお客様だけでなく、名古屋市港区や、岐阜からも、来られているそうです。
販売されている野菜セットのお野菜たちは、みんな、
農園主さまと、気持ちのキャッチボールをして、
見極められて、信頼されたお野菜ばかりです。
調理方法、保存方法なども分かるようにして、お渡しして下さいます。
お野菜を出荷して終わりでなくて、
その先の生活や、農業の楽しさも、一緒になって感じてくださっています。
「お客様が、元気に活躍して、楽しそうな様子に幸せを感じていて、
人生が何倍にも楽しくなっていきます♪」
と話されていた、愛情深い奥様の、やさしい笑顔と、
その様子をあたたかい眼差しでみつめていらっしゃる、農園主様の様子が印象的でした。
こんな素敵な農サービスを、一度体験してみてはいかがでしょうか♪
【比嘉農園】
HP:https://higafarm.com/