昨年からおうち時間が増え、閉塞的で不自由も増えてきたがゆえに、
夫婦間、親子間で悩める人も多いのではないでしょうか?
今回は目からうろこの
「ママのあり方に気づかせてくれる」セミナーをされています
甲斐理恵さんの実体験を踏まえたロングインタビューを2回にわたってご紹介します。
●マザーサポート講座とはどんなものですか?
マザーサポート講座とは「子育ての方法論」
例えば「これがいいですよ」「こうした方がいいですよ」といったノウハウではなく、
「ママ自身のあり方」を伝える講座です。
例えば、子どもを産んだ瞬間からママは
「子どもを幸せにしなければならない」という大きな使命に燃えているママがいると思うのですが、
子育てとは「ママが子どもの幸せを用意する」のではなく、
「ママが満たされていることを子どもに見せることで、子どもも幸せとは何かを自分で見つけていくこと」
を伝えています。
「ママが満たされる」ということはどういうことかというと
「ママが自己承認」をするということです。
「自己承認」をするために本来の自分とは何か、
何をすると自分は「心地いい」のかということなどを自己観察することにより、
子どもとの関係性、家族との関係性に新しい向き合い方ができるということを自分も体験しました。
そして自身の変化や今現在のリアルな日常での気づきを皆さんへお伝えしています。
●理恵さんがマザーサポート講座に出会ったきっかけを教えてください。
下の子を出産してしばらくしたころ、
世間はコロナになってしまい急に小学生の長女が休校となり自宅で過ごすことになりました。
実は4年以上の不妊治療を経て2人目を授かり、
私自身念願だった姉弟のママになれた!という喜びの最中、
突如やってきた長女との自宅という空間での自粛生活。
これまでフルタイムで忙しく働いてきたこともあり、
あまり彼女の事を見ていなかったのかもしれないと思うようになりました。
毎日一緒に過ごす中で、長女には怒ってばかり、
彼女も私の言うことは聞かず駄々をこねてばかりで赤ちゃんはかわいいのに、
長女とはどう接したらいいのかわからなくなりました。
その時にオンラインで受講した断捨離のセミナーでマザーサポート講座の創始者、時實順子さんと出会い、
受講したのがきっかけです。
●講座を聞くまでの子どもとの関係性とは。
講座を受けるまでの自分は長女の事をかわいく思いたいと思いながらも、
「何でこんなこともできないの」
「なぜこんなことしかできないの」
「なんでそんなことするの」
とないものばかりが目につき、「自分が求める娘の姿」を無意識に子どもに要求していたように思います。
赤ちゃんはこんなにかわいいのに、
長女はかわいいと思いたくても、もっとしっかりしなさい!
と思うことが先に立ってしまってどうしても
「かわいい」、「愛おしい」思うことができなかったのです。
例えば、自分が子供のころにピアノを習っていましたが、
発表会がなくても練習が好きで毎日ピアノをするのが当たり前でした。
彼女は発表会があるにもかかわらず、練習をしないので、
自分としては意味が分からず
「練習しないの?」「練習しなさい!」「何でやらないの!」の繰り返しをしていました。
そしてかたくなに抵抗し、やりたくない!と30分以上駄々をこねる毎日でした。
そうなってくると、ますます接し方がわからくなっていきました。
●講座を聞いた後の意識の変化。
講座を聞いた後に気が付いたことは、
「子どもの人生」=「子どもの人生」
と認識ができました。
それまでは
「子どもの人生」=「親として子どもの幸せのためにサポートしなくてはいけないもの」
と考えていたので、無意識に親の自分が子供のサポート役という名目で
「コントロール」していたのだと気が付きました。
「子どもの人生」は子どものものなので、
それは本人が満足していれば親が口を出す必要がないということに気が付き
無理強いすることはなくなりました。
先のピアノの件も、自分は良かれと思ってすすめてきたけれど、
娘に「ママはピアノの練習をした方がいいと思っていたけれど、いろいろ勉強してあなたがやりたくないのなら、やめてもいいよ。やめてもいいなと思えるようになったから。だから練習もしなくていいよ」と伝えることができました。
すると不思議なことに、本人の意思でやめることはせず、
今では自分のペースで自分から練習をするようになったのです。
●意識の変化により得たことはなんですか?
大きく2つの事が変わったと思います。
1つは「拍手」をすることです。
第一回目の講座の直後から、拍手をするということを意識するようにしました。
理由は拍手をすることで、
拍手をしている自分自身も「ほめられている・認められている」と感じます。
脳は拍手する「音」は認知しても、「主語」は認知できません。
そのためたくさんの拍手を聞けば聞くほど、「自己承認」が身につくとされています。
1歳の子は立つだけでほめて、拍手をしてもらえますが、
8歳にもなると立っただけでは拍手などしてもらえません。
ですが、親が小さなことで拍手をすることで、
子どもはほめてもらえてうれしい、拍手をした親は自分の脳が
「拍手を感じ取り、自分自身がほめられた」と認識をするそうです。
「拍手をしよう」と決めて娘の事を観察すると、
帰宅した後いわれなくても宿題をやり始める、
弟が泣いたらすぐに駆け寄ってあげる、
娘の頑張り、いいところ、やさしさがどんどん見えてきました。
ほんの小さなことですが、1つほめて拍手をすると、
母親である私に対してたくさんの事をほめてくれるようになりました。
彼女はいつも弟ばかり褒めてもらって、
自分は褒められないと感じていたようで、本当に褒めてほしかったのだと思います。
お互いに褒め合うことで、それぞれの自己肯定感が高まり、
お互いに認め合うことができる関係を築き始めているのではと感じています。
そして、もう一つは私自身が『コップに入っている水の方を見ることができるようになった』ことです。
どういうことかというと、
それまではコップの中に水が入っていると仮定したときに、
コップの底に入っている水ではなく、入っていない部分ばかりに目が行く自分がいました。
つまり、「足りてない方ばかりを見てしまう」ということです。
できないことばかり、不足していることばかりに目が行ってしまい、
肝心の入っている水には全く目が届いておらず、できていることを「認めること」ができなかったのです。
それは娘に対してだけではなく、自分自身にも当てはまります。
自分自身ができていなかったことに対して認めることもできず、
ただただ苦しいばかりで、子どもに対しても同じことをしていました。
それが「自己承認」できるようになったことで、
子どもに対しても自分に対しても「褒める」「自分自身の事を認める」ことができるようになりました。
ここまでたくさんの実体験を踏まえた貴重なお話を聞かせていただきました。
後編では実際のサポート講座について、そして理恵先生が伝えたいママたちへの思いをお伝えします。
●マザーサポート協会・リードプロ講師
甲斐 理恵先生
石川県(能登半島) 出身
愛知県清須市在住
小2の女の子、0歳10カ月の男の子の子育てママ
●マザーサポート協会