少し早いですが、3月3日は桃の節句、ひな祭りですね。
初節句を迎えられるおうちでは雛人形を選びに行かれる頃だと思います。最近ではインテリアに馴染む木目のシンプルな飾りが人気ですね。
スペースの問題で購入しないという方もいると思います。そうはいっても伝統的な雛人形も気になりますね。
今回は名古屋市にある雛人形専門工房にお邪魔して、雛人形について教えてもらってきました。
■飾る時の親子の時間を大切に
お話を伺ったのは、名古屋市守山区にある加藤人形店様です。こちらの工房はデパートや小売店への卸はもちろん、全国的にも珍しいオーダーメイドでの人形制作もされています。
雛人形に対して私の周りでちらほら聞くのが「正直飾るのが面倒…」という声。
加藤さん曰く、「飾る時間も大切な親子のコミュニケーションの時間だと思って欲しい」と。
どういった思いを込めてこの人形を選んだのか、その時の気持ちやエピソードを親から娘に伝え、楽しみながら毎年一緒に飾って欲しいとおっしゃっていました。
ケースに入ってそのまま飾るタイプは楽だけど、人形や御道具を一つ一つ手に取り親子で飾る、そんな時間を大切にしてほしいとの事でした。
こちらのお店では生地から選んでオーダーメイドできるので、例えばお宮参りの時の産着やおばあさまから受け継がれてきた着物やママさんが着た振袖など思い出の生地を持ち込んで作る事ができます。
また、着物の裾に名前の刺繍を入れて頂くこともできます。
こういった思い入れのあるものはもちろん、一般的な雛人形でもそれぞれ選ぶ際には娘への願いや愛情が込められていると思います。
そんな気持ちを我が子と共有しながら、節目の節句をお祝いできたらいいですね。
■雛人形の素朴な疑問も聞いてきました
※雛人形に関する意味・決まり事等は諸説あります。
・片付けるのが遅れると婚期も遅れるの?
節句は季節の節目です。節目にきちんと区切りをつけず、出したままにする家風では、まっすぐな良いお嬢さんに育たない=婚期に恵まれない、そういった由来ではないでしょうか。人形店側としては、天気の悪い日に片付けるのはカビによる傷みの原因になるので避けてほしいです。無理に慌ててではなく、天気の良い日に片付けるのをお勧めします。節句が過ぎて、片付けるまではお人形を後ろ向きにし、背を向ける感じで置けば良いです。
・二女や三女の場合も必要なの?
雛人形の意味合い的に本来であれば、女の子一人に対し、一つが正解です。ただし、住宅事情や経済的な問題もあるので、兼用でも問題ありません。
・結婚したらどうするの?
結婚してもご自分の雛人形はぜひ飾って下さい。飾る場所がなければ、ご実家で飾って頂いたり、御道具などの装飾なしでお人形だけ飾ってもよいです。娘さんが産まれても、ご自分のものは生涯大切に飾って欲しいです。
女の子にとって大切な節目の桃の節句。家族のにぎやかなお祝いの席にお気に入りの雛人形をぜひ飾ってくださいね。
協力
雛人形司 蓬左佳峰 加藤人形店